第10話 回想 漣蓮視点

得体の知らない少女についていき、その屋敷の中へと足を踏み入れた私はまず驚いた。

屋敷である事を誇りに持つように、その広さは尋常ではなかった。

此処は玄関近くと言う事もあり大広間的な空間なのだろうが。

だとしても大き過ぎると思うが。

そんな空間を我が物顔で歩き続ける目の前の少女。

仕草そのものは案内しようとしていたのだが、案内しようと言う気はさらさら無いようだ。

天然と言うか、自由奔放というか、そんな感じだ。

そんな彼女についていき、一つの部屋へと招かれた。

待合室なのだろうか。

部屋の真ん中に一つのまあまあ大きい机と対になるように椅子、と言うかどう見てもソファが並べられている。

回りも華美すぎない程度に装飾されており、美しい光景だった。

この部屋は紫を基調としているようだ。

全体的に暗めの色だが、赤や蛍光色系の色も混ざっているのだろう。

暗い気持ちにはならない。が少なくとも良い気持ちにもならない。

待たされた部屋で椅子に腰掛け、今迄の事を振り返る。


最初は唯の気晴らしだった。

そう。ただ日々の憂鬱を解消したくて森に出かけただけなのだ。

それが気が付けば此処に居る。

自分ではない声で自分ではない自分を自分としなければならない。

大きく矛盾している。

理解しようとすればするほど混乱を招き、理解を諦めれば謎が渦巻く。

情報整理をした方が良いのだろうか・・・。

森に出かけた。この時点では何もおかしな点は無かった。

そう、その森で私は一度寝ているんだ。

うたた寝してしまったけど、起きたらまだ太陽は上にあって・・・。

周りに不自然な点なんて無かったはず。

そこで・・・あぁ、此処だ。

思い出した此処だ。

此処で違和感を感じていたんだ。

何処か可笑しいと思っていた。

周りにある草木、太陽、風は全て変わりなかった。

全くといっていいほど現実のそれと同じだった事で分からなかったのだろう。

あの時点で、この世界に入っていたのではないか。

誰がやったかの大体の予想は付く。

私に対し含みある発言を多くするあの妖怪の賢者、紫だろう。

しかし、目的が分からない。

何かをするときはそれなりの理由があるはず。

何となくと言う行動理由も潜在的な何かがその行動に拍車を掛けていることが殆どだ。

しかし相手は妖怪の賢者。ましてや此方から意図してコンタクトする事なんて不可能に近いだろう。

その理由に皆目検討も付かない状態だが、何かしらの要因があって呼ばれたとして。

何かが起きた。そう解釈しても更に謎は深まる。

私がこの世界に来た事で何がどう変わるのだろうか。

世界の運命に異物を混ぜ込めればその異物が世界の直線を歪ませる。何処かの小説に書いてあった。

もし仮に私がその異物であるなら。

異物とは本来要らないものに対して使われる言葉だ。

だとすると私は要らない存在と言う事になる。

世界の真理を変えたくて私を呼んだとするならば、世界にとって私は邪魔な存在。

いつ消されても分からない。

・・・流石に小説の読みすぎかと思う。

丁度そんな事を思った時だった。

「かなり考え事してるのね、ノックにも気付かないなんて」

私の知らない人が対面に座っていた。

「ごめんなさいね、こいしが迷惑掛けたみたいで」

なんだろうこの感覚。凄く嫌な予感がする。

「初めまして、漣蓮君」

私はこの人に対して、

一度も名前を言った覚えは無い。

更に不安が高まる。

「私はこの屋敷、地霊殿って言うんだけどね、その主・・・」

館の主とはまた随分大層な身分のお方が目の前に。

「古明地さとりって言うわ、よろしくね」

あぁそうか。

名前がさとり、か。

相手はさとり妖怪なのかと思う。

「えぇ、その通りよ」


予感命中。

嘘が通じない一番面倒臭い相手だ。


後書き

前回滅茶苦茶文章量少なかったから挽回しようと頑張ったぜっ!

と言うかさ、茶番劇動画化したじゃん?この漣蓮視点第0話。

この記事執筆時時点で動画の再生回数300回くらいだしさ、この動画公開した時からチャンネル登録者数が馬鹿みたいに伸びるんだけどどう言う事?

チャンネル登録者数3桁の人にチャンネル登録されるしさ、私の動画にそこまで価値無いよ?

いやまあ見てもらえて嬉しいし、チャンネル登録者数が増える事は単純に喜ばしい事なんだけどさ。

今迄の半年間で全く増えなかったのに動画一本で此処迄増えられるとちょっと逆に悲しくなってくるというかさ・・・。

チャンネル登録者数40人突破、総再生回数1,200回突破、茶番劇動画再生回数200回突破と忙しい忙しい。

しかも私のチャンネルで断トツで再生回数多いし。

他の動画せいぜい70回再生なのに・・・ホントもう・・・ね(泣

まあそんな事はどうでもいいのですが茶番劇を作りながらブログも進めなきゃいけないので投稿遅くても許してちょ。

そんな編集者話もそろそろに、執筆者事情をば。

漣蓮視点第10話ですよ皆さん!

遂に2桁になったわけですがね。今地霊殿なんだけどww

まあ順番無視してるからどうなってもいいんだけどさ。

私の頭の中では現在東方に無いステージが用意されてるのでそこまで行くと完全に創作話になりますねはい。

是非とも皆さんそうなる事を期待して見て頂けると幸いです。

その頃には多分かなり話数行ってると思うのでね。

んじゃまそんなわけで。

よいフリーライフを。


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