第8話 選択 漣蓮視点

「あっちとこっち。貴方はどっちを選ぶ?」

幻想郷の賢者、紫が放った言葉の意味をしばらく理解出来ずに居た。

そして理解した。してしまった。

あっちとこっち。現実か、幻想郷か。

彼女はもしかしたら所謂転生の機会を与えようとしている気がした。

実際がどうであるか知らないがそんな気がしただけだ。

自然と無言が続く。

そう簡単に決められるものではないからだ。

自分の人生の選択どころではない。自分の世界の選択だ。

人生を変える、ではない。人生を選ぶと言っている。

能力があり、様々な種が混在する幻想郷。但し今迄の自分の努力は全て水の泡になる。

今迄の自分の過去があり、努力が見える現実。但し一度見た幻想は忘れられないだろう。

どちらを選んでも永遠に後悔する気がする。

もし。もし途中で路面変更が出来るのなら。

それに賭ける事にした。

「途中でどっちかに行く事って」

「出来ないわ」

即答。

まだ質問し切ってないのに、そう質問される事が当たり前であるかのようにバッサリと切る。

自分は優柔不断気味だ。

だけどこの場だけは違った。

「じゃ、じゃあ・・・」

紫を見つめる。

恐ろしくて、怖くて、悔しかった。

こんな選択しか出来ない自分が。

私の答えに紫達は少々驚いていたようだ。

彼女らにとって私の回答は少しずれているようだ。

しかし言ってしまった事。

今更取り返しが付かないことは十分に理解している。

私が選択した世界は・・・。

幻想郷だった


目覚める。自室のベッドの上。

時計を見る。

土曜日の朝6時だ。

いつもと変わりない時間。

それなのに夢の内容のお陰であまり熟睡出来た気はしない。

そういえば、今回の夢の内容はしっかり覚えている。

思い出そうとしても記憶から消えていかない。

私があの妖怪の賢者紫を前に幻想郷を選ぶと宣言した事。

それなのに現実に戻されたという事は。

恐らく現実で準備でもしてろという意味だろう。

その辺がどうなのかは全く分からないがその通りだったとしたら親切すぎる転生話だなと。


これから自殺をしよう。そう考えた時はもしかしたら部屋を綺麗にしたりするのかも知れない。

思ったこと無いから分からないけど。

しかし私の状況はこれから幻想郷という世界に転生するだろ言うという曖昧すぎる表現。

私の意志とは関係無く、いつかそれが起こる。

そのいつかが分からない上に覚悟の仕方も分からない。

異世界に行く覚悟ってなんだろうな。

今日は土曜日。学校は無い。

特にする事も無いなと思いながら部屋でのんびりしているとインターホンが鳴った。

「蓮く~ん、いる~?」

華凜だろう。単純に何のようだろう。

「どした~?今日は土曜日だから学校は無くてな」

「学校あるって勘違いして来たドジっ子じゃありません」

「あそなの?」

いつも通りの何の絡みも無い軽い話。

「そいえばこれから何する?」

「暇モード展開中、この効果は私が睡眠を取るまで継続される・・・!」

急に中二病の真似してみたがスルーされた。悲しい。

「んじゃちょっと付いて来て」

「ち、ちょっと待とうか」

「ん?」

「せめて外出の準備させてくれ」

そう、今私はめっちゃパジャマなのだ。

寝癖も直して無いし外に出て行く格好とはとても思えない。

「んじゃ待ってる」

「よろしく頼む」

急いで着替え、髪を整え、身だしなみを確認。

持ち物も確認してドアを開け華凜を見―


「あぁ・・・ぁ」

かなり情けない声が出てだろう。

目の前の光景に驚きすぎてろくに声すら出せない状態。

一種のショック症状らしい。

そりゃ驚くだろう。

扉を開けて外に出たのに、目の前に広がるのは


あの地下街のような場所だったのだから。


後書き

分かる。分かるぞ。言いたい事はとってもよく分かる。

今回、いつにも増して話薄くないですか。

だって今すっげ~集中力切れてんだもん。

どのくらい切れてるかと言うとタイピングの正答率が80台まで落ちるくらい。

これだけじゃわかる人いないと思うけどかなり低いほうだからねこれ。

執筆中の話は置いておいて。

執筆者の事情じゃ。

執筆者さん実は編集者でして、いつかこの文も編集することになるのです。

するととても面倒臭がりなこの編集者兼執筆者さん執筆量減らせば動画編集時間も減るんじゃね?と言うよくわかんない考えを繰り広げる。

その結果がこれ。

是非とも一度早急に死去して頂きたい。

その頃には校正してるはず・・・!しててくれ未来の私!

それでは。

よいフリーライフを。


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