一通りの話を済ませた頃、蓮から新たな質問が寄せられた。
「な、なあ、私の能力って分かったりしないか?」
能力・・・。
さっき話した内容にもあった。
新人らしく、その新しい要素に興味津々のようだ。
どこぞの大妖怪なら分かるだろうが、私にはそんなものわかりゃしない。
「えっと、私はわかんない」
人間で能力持ちである事の方が珍しいのだから期待するだけ無駄だと思うけど。
「え、じゃあ他に私の能力が分かる人がいるかも知れないって事?」
勘の鋭い人だな。
先程思ったとおりの内容で話す。
「確か、妖怪の賢者って呼ばれてる人なら分かると思う」
あの人は本当に2つ名が多いなと。
この世界の統括者みたいな立場なんだし恐らく分かるだろう。
まあ、そうそう簡単に現れると思ってな――。
隙間。隙間だ。
妖怪の賢者が日常的に使う能力の一つだったと思う。
隙間が、蓮を引っ張って行って・・・!
唯、蓮の体を引き戻すだけ。それだってのに、体はピクリとも動かない。
大賢者を前にした恐怖と平伏の念がその場を支配する。
本人はその場に居ないのに、本人が関係するそれだけで場を凍りつかせる。
いや、もしかしたら、私の心が弱かっただけなのかもしれない。
蓮が隙間に入ってから10分と行った所だろうか。
かなり長い間待っている気がする。
最近は蓮とお喋りをすると言うことで時間の流れが速く感じるようになっているからもしかしたら5分も経っていないのかもしれない。
それでも長いこと待っていると思う。
そんな時、不意にドアが叩かれる。
「妹様、レミリアお嬢様がお呼びです。玉座の間までお来し下さい」
咲・・・夜・・・。
冷淡で無機質な声。用件だけ告げ早急にその場を離れるこの館の従者。
お姉様直属のメイドだと聞いた事もある。事実は知らない。
あくまで仕事の声音で私を呼び出す。
お姉様直々に私を呼び出すとは何なんだろう。
まあ、そう考えずとも原因ははっきりしているが。
ついこの間駆け抜けた廊下を咲夜と歩いて行き、階段を上がり、館中央の一番大きな部屋に入るよう促される。
凄く緊張する。
心臓の鼓動が早くなる感覚が段々と明確になっていく。
この感覚、怖いのだろうか。
実の姉に会うのが怖いなんて不思議な感覚だなと他人事のように思う。
扉を開け、その先。玉座を見る。
悠然と座り厳かに此方を見据える。
遠くからで表情までは見えないが、何故か怒っていないような雰囲気。
それが逆に怖いというのに。
恐る恐る近づく。
「一つ言っておくわね、私は貴方の起こした行動に対して全く怒ってないわ」
此方が何かを言う前にお姉様から言われた。
全く怒ってないという。
それが本当か否かを調べる術は無いのでその言葉を信じる事にした。
「じゃあ、何で」
「そりゃぁ勿論、罰を与える為でしょ?」
それを怒っているというのでは無いのか。
罰とは、何なのか。
何をされるのか。
又あの地下に閉じ込められるのか。
あの孤独を又味わわなければならないのか。
それは・・・いやだ・・・。
「フラン、もっと厳重な所で絶対に抜け出せないようにするからそこで暮らしなさい」
「ッ!!」
何かが切れた。
歯止めが利かなくなり全てがどうでもよくなる。
あんな恐怖、二度と味わいたくないっ!!
ハハ、はははハハはハははハははハはハハハハはッ!
気が付いたら知らない部屋に居た。
部屋、と呼べるのだろうか。
出入り口に値するものは無く、あるのは小さな通気口のようなものだけ。
何処と無く既視感のある部屋だと思う。
部屋にあるのはベッドだけ。
あ~・・・はは。あハは・・・
ハハハはハハははははハはハはははハハハハハハ
―これから見える孤独を思う
勝手に狂ったように笑う
たのシいたノシいジゴくガはじマる
後書き
漣蓮視点の動画・茶番劇化が決定して進行し始めたという事でフラン視点を進めますよ~。
ただ漣蓮視点を進めすぎたお陰で紅魔館編がどうなってるか忘れているという。
まあこれから紅魔館編の話を動画化するので思い出すという意味合いで・・・うん、頑張る。
そして執筆者事情。誰が得するんだというツッコミは受け付けぬ!!
夏季休業日に突入して学校に関する諸々を課題以外終わらせましたので後は地味に自由じゃ!
なのでカラオケ行く事になってるのじゃがな。
いつ行こうかな。いつがいい?
何故視聴者に聞くのか。その理由は収録か配信しようと思ってるから。
唯最近曲聞いて無いし技術低下してきた気がするし多分80点取れないよ。
んじゃまそんな感じで。
よいフリーライフを。
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