遠く、遠く、何処までも遠く。
目前に広がるはただの暗闇。
光は無く、音も無く、何も無い。
そのただらなぬ雰囲気に孤独感を覚え、竦んでしまう。
一人が怖い。誰もいないのがイヤだ。取り残されるような切迫感。
一人に、なりたくない、誰か、傍に。
思いは届かず、何も変わらない暗闇。
冷めた空間は来る者全てを凍てつかさんとする。
恐怖に、孤独に耐えられないものを一瞬にして機能停止させる。
自分も、そうなりそうだ。
今、私の中にある思いは恐怖と孤独。
複雑に絡み合い、どちらかをほどけても心のどこかに絡み付いてくる。
抗い難い感情に、思わず泣き出してしまう。
負の方面へと、段々と落ちて行く。
暗闇はそれを待ち望んでいたかのように動き出す。
自らを抱擁し、庇護した。
その行動に、何処か嬉しさを感じてしまい、闇へと堕ちる。
もういっそ、この中で暮らした方が楽なのでは無いか。
堕落し、敗者となる事が最善の策に見えた。
――光に照らされる。
温情に満ちた、優しい光。
光の差す方向はわからない。
それでも、今の自分を闇から救おうとしている。
暗闇はその光を封じようとする。
その光から私を隠さんとする。
強く、配慮なんてしない、圧迫さえ感じる程に自分を取り押さえる。
身動きが取れない。
それなのに、何故か恐怖は無かった。
正体不明の光が、尚も照らし続ける。
光は大きくなり、闇は私を手放す。
――この時、気付いていたら、未来は変わったかもしれない。
闇が、心の奥底に自らの破片をはめ込んだ事に。
眩しい。
最初に思ったのがそれだ。
目を開けずにしても分かる、外の明るさ。
ゆっくりと、目を開く。
澄み渡る空。悠々と揺れる木々。
自分が倒れる寸前に見た景色だ。
相変わらず、綺麗だなと。
そこにある違和感に気付くのにさほど時間は要さなかった。
自分の傍に、見知らぬ人物がいる。
その人物は、今は寝ているようだ。
座ったまま、寝ている。
器用だなと他人事のような思考を巡らせた時、一つの疑問が表れる。
あの時の光は何だったのだろう。
太陽はほぼ真上にある。しかし、太陽の光とは又異なる種類の光であったと思う。
実質的な光ではなく、人の温もりのような、そんな温かさから出る光。
現状、この場には自分と、目の前の寝ている人物しかいない。
あの光の種類が人の手によるもので、自分がそれに助けられたのなら。
その光の元は目の前の人物で、こいつが私を助けたのなら。
何故だ、と思う。
私はこの人物を全く知らない。
それどころか、私は400年以上外に出ていなかったのだ。
縁も縁も無いはずだ。
それなのに、何故。
この人物は最終的に私を助ける行為をしたのか。
悩み始めたその時、強大な殺意を認識する。
殺意の方向を見れば、あの時諦めたはずの実姉レミリアがいる。
レミリアの顔は殺意によって歪められ、とても醜かった。
目の前にいる妹を、殺害対象としか見ていない。
それ以外の何者でもない、と憚らんばかりに。
急いで逃げなきゃ。
――実際は逃げ出さなかった。
姉と対峙し、互いを睨む。
レミリアの動機は一切分からないが、自分の動機は後ろにいる見知らぬ人物の為だ。
家庭内事情で他人を巻き込みたくないという思いもあったかも知れない。
けど、それ以上に、聞いてみたかったのだ。
自分が闇へと堕ち掛けた時、光を差し伸べてくれたのは貴方か・・・と。
それだけははっきりしたい。
死ぬ前の、たった一つの願いが出来た。
それを達成すべく、目の前の妨害者を排除しなければ。
次の瞬間、私の攻撃によって当たりは火の海となる。
最初は理性があった。
あの人から話を聞きたい、と。
今は理性なんてものは無い。
ただ、姉を殺そうとする狂気の人形へと変貌している。
遠く、笑い声が聞こえる。
笑い声には、嬉しさや楽しさは含まれていない。
ただ、壊れた人形のように、笑うことを強いられた可哀相な機械のように。
狂気に笑う。
闇が出現する。
あの時の闇だ。
私を囲み、優しく抱きしめる。
そのまま堕落の道へと誘う。
今度は差し伸べる光は無かった。
後書き
やっぱ此処のシーンダメだ。全く文が纏まらない。
私にもうちょっと国語力があれば・・・!!
まあ、無いものを悔やんでも仕方が無いので諦めましょう。
今の感情。フラグ立て過ぎた管理仕切れねえどうしよう。
それでは、
よいフリーライフを。
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