何故学 誕生日だって言われても・・・ 前半

「そういえば、唯って誕生日もうすぐ誕生日だよね?」

「・・・そうだけど、それが何?」

「いや、クリプリの御返しで何か贈ろうかと」

「・・・いいの?」

流石に4桁後半のもの貰ってへらへらしてられないよ・・・。

同じ値段・・・はちょっと厳しいかもしれないけど、それなりものでお返ししたい。

「何が欲しい?」

「・・・考える」

今日は12月26日。

唯の誕生日は28日なので、このくらいに欲しい物聞いてもちょっと遅いかもしれないけど・・・。

まあ、貰ったのが25日だし、機転を利かせるには少々僕の頭脳が足りなかったようで・・・。

そんなわけで、数分が経ったが返事が返って来ない。

気になったので唯の方を見てみると、スマホで何かを見ているようだ。

「何見てるの?」

「・・・一応、欲しい奴」

見えたのはペンタブの商品紹介ページだった。

「ペンタブ?欲しいの?」

「・・・新しく、趣味で始めようかと」

「へ~・・・」

そうは言っても・・・。

所々に素晴らしいお値段が表示されているんですが。

時々2万とか10万とか書いてあるんですが。

「・・・あぁ」

「やっべぇな」

「・・・この辺は、まだいいよ」

「ふぇっ?」

「・・・まだ、初心者だし、こっちで」

そう言って3,000円くらいのものを見せて来た。

「へ~・・・何か違うの?」

「・・・性能は落ちるけど、機能は殆ど同じだし」

「ふ~ん、知らねえ所は知らねえな」

「・・・あんまり高価だと蓮が困るだろうし」

「え?」

「・・・なんでも」

金欠とは言っても今まで貯めに貯めた貯金はあるのでそこから繰り出せば簡単に支払える。

切り詰めた生活をして見る事で高速で大きくなっていく貯金額を見るのが最近の趣味だが、ちょっとくらいいいだろう。

と言うか、クリスマスに5,000円近いもの貰ったので返さないとこっちの気が収まらない。


流石に何も考えずにネットで注文、と言うわけにもいかず、自分でも色々調べてみる。

ネットで見てみれば、初心者の為のペンタブ選びと言うサイトがあったのでそれを参照して決める事にした。

どうやらペンタブと一括りに言っても2種類くらいあるそうで、唯が見せて来た奴は板タブの方だった。

機能は変わらないと言っていたが、性能はあからさまに異なる。

値段も変わるから当然なのだが、あえて言わなかった唯は気を使っているのだろうか。

僕は高額なものを買う時、特に機械系のものを買う時は実際に販売店に赴く。

操作感とかを自分で体感する為であり、基本家から出たくない宣言をして引籠っていてもこの時だけはちゃんと外出している。

自分が使うわけなのではないのでどういうものがいいのか分からないが、色々見て回った。

日ごろ家から出なく、外に出ると気分が悪くなる僕だが、こうやって機械を見て回っている時は楽しいと思う。

もしかしたら、唯にプレゼントすると言う事も要因の一つになってるのかもしれない。


さて、そんなことを思いながらずっと見ていたら閉店の時間だ。

この店は品揃えとかサービスはいいのだが、その分閉店時間が早い。

17時閉店のこの電器店から出た時、まだ16時代だ。

いつも家に居るからこそ、一度外に出たら中々帰らないと言う特質を誰か理解してくれないだろうか。

そんな訳で帰り道からはちょっと外れるが、行きつけの書店に向かった。

そう、書店。ちょっと色々なアニメのグッズとかCDとか売ってるけど書店。

たまにしか行かないけど、一回で買う金額が大きいのでポイントだけで本が買えるほど溜まっている。

今日も本を買いにそこに足を踏み入れる。

そしたら、漣蓮さんと笹波華凛さんが一緒にいらっしゃった。

こういう場合に声を掛けれる人を陽キャと言い、存在を知られないようにこそこそとする人を陰キャと言います。

僕は陰キャです。

さっさと隠れようとしたら早々に見つかった。

「おっ!鳴神じゃん!」

「げっ」

とっさに言った言葉は聞こえなかったようだ。

「外で見たの初めてかも」

「それはこちらも同じで御座います」

「珍しいなぁ、鳴神が外にいるなんて」

「まあ、今日はちょっと用事があって」

「あれか?唯さんの誕プレか?」

「そうだよ、その序にここに来た」

「何買うつもりなの?」

「本人に聞いたりしてないよな~?」

「・・・黙秘権を行使します」

「聞いたな」

「聞いたね」

「黙秘権を行使しま」

「で、なんて言ってたの?」

「黙秘権を行」

「でも唯ちゃんって何か欲しいって言わなさそうだよね」

「そうだね~・・・んで、なんて言ってた?」

「黙秘権」

「あでも何か最近新しい趣味始めようかとか言ってたよ」

「へ~、まあ何かしらの趣味は持ってた方がいいよな」

・・・。

「あっそうだ、鳴神って確か此処のポイントカード持ってたよな」

「あっうん、持ってるよ。それがどうした?」

「んにゃ、これ買うからどうせならって」

「自分のねえの?」

「まだ作ってないんだ~」

「でも、ポイント付くの僕になるけど」

「いいんだよ、どうせなら何かしら付けたいのが私たちだから」

「はいよ、9円までならポイントで使っていいよ」

「端数切捨て用か」

「僕がポイント使う理由はそれだけだし」

ポイントカードを渡して、自分はラノベコーナーへ向かう。

気になる作品を予め調べていた訳ではないので、その場で色々探る。

「あ、竿の新刊出てる・・・けどなぁ、もう興味薄れて来たしなぁ」

「お、ナセカノの最新刊ってもうここまで行ってるのか」

「どうしようかな、こっちも興味あるんだけどなぁ」

そうやって色々と独り言を呟いていた。

「な~にブツブツ言ってんのさ、はいポイントカード。1ポイントも使わなったぜ」

「だって~、事前に何買うかとか全く決めてなかったし。ありがと」

「なんかオタクっぽかった」

「何一つ否定しないぜ!」

「うん、知ってる」

「と言うか何買ったの?」

「ハチミツJKだ!!」

「・・・?」

「まあまあ、読み終わったら貸すからおめえも読めって」

「あっそう、じゃあ借りるわ」

「蓮、もうすぐ電車」

「僕も蓮って名前なんだよなぁ」

「何~?一緒に帰りたい~?」

「いえ、大丈夫です、家反対方向だし」

「電車があるから、もう帰るわ」

「ばいば~い」

「じゃ~の~」

さて、色々収穫出来たしもう帰るか。

中々帰らないとは言ったが、体力がないので結局早めに帰る事になる。

だが、此処は凄い場所である。気付いたら17時を過ぎている。

どっちにしろ流石に帰らなければならない時間帯だ。

早々に切り上げて、帰路につく。


「ただいま~」

「・・・おかえり、何してたの?」

「ちょっとね、書店まで」

「・・・なんか、あった?」

「蓮に、会った」

「・・・にほんごってむずかしい」

「そだね~」

流石に誕プレのネタ探してたとは言えないよね。

その後も竿の新刊出てた事とか伝えてそのまま寝た。


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本作品中に登場した『ハチミツJK』と言う作品は、現実に存在する書籍になります。

正式名称を『くずクマさんとハチミツJK』といい、烏川さいか様が書いた本になります。

さいか様から直接の許可を貰っていない為、著作権侵害警告及び注意勧告を受け取った際には早急に代替します。

この『ハチミツJK』と言う作品の紹介です。

「阿部久真は、興奮するとクマになる高校生。

 ある日、ぼっちのクラスメイト・天海桜の“ハチミツの汗をかく”秘密を知った彼は、欲望に負けて桜を押し倒し、

 しかも美味しくいただいてしまった!?その極上の味に惚れ込んだ久真は桜に迫るが―

 「何が何でも(桜のハチミツと)離れたくないんだよ!」「そ、そんな手にはにょり…乗りませんよっ!」。

 それでも久真は「最高のハチミツライフ」の実現に向け、学校内のクマ(=自分)出没騒動も、

 クラス委員長・鈴木(猟銃持ち)率いるクマ討伐隊の襲撃も私欲のために利用。

 すると、ドタバタのなかで桜からなぜかペットとして気に入られてしまって…!?

 私欲まみれのほんわかラブコメ、出没!」

はい、私はこれでさいか様にはまった訳では無く、もう一つの書籍『ねとかの』の方から入りました。

正式名称を『ネット彼女だけど本気で好きになっちゃダメですか?』と言うこの作品は、イラストレータがシロガネヒナ様です。

さいか様の甘い恋愛ストーリーに、シロガネヒナ様のやわらかいイラストが加わって、私は表紙を見ただけで買っていました。

この作品はMF文庫Jが開催した「第12回MF文庫Jライトノベル新人賞」において、烏川さいか様が優秀賞を獲得した作品になります。

とても面白く、それでいて何回も読める中毒性を秘めています。

是非!烏川さいか様の書籍を購入頂いて、その感想をさいか様にお伝え頂ければと思います。

烏川さいか様のTwitterは以下になります。

漣蓮のブログ

ブログ初心者がそれなりに頑張って運営してる。 こうしたほうがいいなどご指摘ありましたらお寄せ頂けると大変嬉しいです。 目指せ毎日更新!

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