「あんた・・・まさか、 フランドール・スカーレット!?」
その問いに、彼女は答えなかった。ただ俯いて、無言を貫く。
辺りの時間が固まったような感覚・・・いや、実際に止まっているのだ。
人は呼吸さえ許されていない。太陽はそこから動かず、風の一つさえ吹かない。
それは、禁忌だったのだ。
幻想郷にとって、外の世界でその情報を話す事は。
そこに住まう民の名を口外する事は、まさにそれに当たる。
幻想入りした民は人々から忘れ去れた存在。
その存在を脅かす行為は禁忌に値する。
・・・しかし彼はそれを知らない。
この世界で、彼以外に動ける唯一の存在である彼女はゆっくりと首を縦に振る。
そして、言を俟たないと言うが如く名を名乗る。
「フラン・・・だよ。フランドール・スカーレット。久しぶり・・・で、いいのかな」
そう言って、少しはにかむフランだった。
そこからは全てが済し崩しに進んでいった。
突如現れたフランにびっくりしたが、彼女はあくまで笹波華凛だ。
これまでの様に、変わらない生活を送っていけば何一つ変化は無い。
自分も、何も変える必要はない。
環境も、状況も、何もかも。
そう、この世界に変化はない。強いて言うなら、笹波華凛と言う人間が消えた事だろう。
・・・彼女は▮▮▮りしたのだった。
▮▮▮。それは▮▮▮りしたものの住まう▮▮。
そこには、▮、▮▮、▮▮など、住まうものの種類は多種多様だ。
過去に一度▮▮▮りしたものが帰ると言う事例があったが、▮の手によってそれは異常を来たさなかった。
そのものは▮▮と言う。
▮▮が起こした世界変異は▮▮▮を根柢から覆した。
▮▮は▮▮▮の英雄の一人であり、▮▮▮を救った救世主だった。
そんなある日、▮▮は突然と姿を消した。
まるで▮▮▮りしたかのように・・・。
▮▮▮の住人であった▮▮▮も、同じように・・・。
だが、それに気づく▮▮▮の住民など
いるわけないのだ。
▮が、新たなる禁忌としたから。
「誰がこんな話を信じるのだろうか・・・」
綴りはこれで終わっていた。
「・・・て感じのストーリーだけど、どっすか?」
「あのね、いいんだよ?いいんだけどね?」
「あ、却下?」
「いや却下とまでは行かなくとも・・・保留って感じかな~」
「つまりつまらないと」
「なんでそんなネガティブな考えに行っちゃうかね~!」
ある日突然小説っぽい話を作ってきてと言われて、早1週間が経とうとしていた時の話。
一応の全話は完成したものの、校正や加筆修正等がまだなのだ。
締め切りは遠くとも、見直しなどを含めれば今の内にこちらでは完成させておきたい。
そう言われたので、提示された設定を見ながら何となく書いた作品を見せたら保留と。
まあ自分でもあまり出来は良くなかったと思ってるし、それでもいいのだけど。
でも流石に今から新しく作るとどう考えても時間が足りない。
それを先方も理解しているのか、代替案のような話が出て来た。
「とりあえずプロットはこれでいいから、色々書き直した方がいいんじゃないかな」
「さんせー」
「んじゃぁ、まず出だしのこの入り方なんだけど・・・」
校正や加筆修正を含めた本書が始まった。
この話自体は私が個人で考えたものだ。
そこに彼女の意見を取り込みながら提出用のデータを更新していく。
そう、まさにその時だった。
一件のメールが来た。
軽い着信音がそれに気づかせてくれて、即座に確認したが。
それは理解出来るものではなかった。
件名:ありがとう
送信:蜈ォ髮イ邏ォ
内容:その子をよろしくね
それをいたずらメールだなと思い、そそくさと消した。
後書き
はい、文面から分かると思いますが。そうです。
今回のこの話、実質的な最終回です!!
東方夢創禄漣蓮視点は全16話を持って最終回を迎えました。
最後の方は読者の考察にすべて委ねる事にしましたので、かなり伏せています。
一応作者想定の設定はあるので、どう解釈が変わるのか楽しみにしてますねw
そんな作者の近況。
忙しい。ちょー忙しい。
生徒会のお仕事がやっと終わろうとしているのに忙しい。
ラストスパートって奴だろうけどここまで忙しくなるとわw
まあ、考察頑張ってって事でw
んじゃまあ、
よいフリーライフを。
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