第8話 過去 フラン視点

自我が芽生えた時から既に自分の名前は決まっていた。

唯、その名前の由来も込められた願い等も一切知らされないで。

その時から記憶しているのは家族は姉一人だけだという事。

小さい頃から内気な性格だったわけではない。姉と仲が悪かったわけでもない。

自分の中の最古の記憶を辿れば姉と楽しく遊んでいる風景が写る。

そして、それと同時にこのようになった事の発端も思い出す。


無邪気に遊んでいたのに、自由に暮らしていたのに。

それは急に起きた。

姉から告げられたそれは驚きでしか表せなかった。

「フラン・・・地下で静かに暮らしてなさい」

姉の表情も何処か悲しげであるが、当時の自分はそんな事を気にしていなかった。

それ以上に、その意味を理解出来ていなかった。

「なん・・・で・・・?」

「理由は・・・話せない。兎に角言う通りにしなさい」

半ば強制された事象。

それから地下深くに幽閉された。

何も無い、質素な部屋。

自分の部屋の家具や道具等は全て此方に移されている。

さっきまで自分の部屋はいつも通りだった。

たった数分で全て此処に持ち込んだというのか。

何がそこまで姉を、姉に仕えるものを動かすのか。

皆目見当も付かない。唯、言われたとおりに演じるだけ。

最初はそこまでだった。

これも何かの遊びの一種なのではと言う期待や希望があった。

此処から出られるその日が来るまで、毎日を浪費していった。

1日、また1日と時が過ぎ、それでも此処から出られない。

流石に不思議に思い、定期的に訪れる従者に問う。

何故此処から出られないのか、と。

聞かれた従者は何を答えるでもなく、すぐさまその場を離れた。

この頃から違和感に気付き始めた。

自分がどれだけ話しかけても、誰も聞く耳を立てない。

全てが空虚であるかのように、そこに存在しないかのように。

何年も、何年も年月が流れ、次第に姉への憎しみが現れた。

何故こうするのか。せめて理由を教えて欲しい。

理由も無くこのような仕打ちは可笑しいと。

唯只管に疑念を抱く。

全てが信頼出来なくなり、やがて無になる。

生きる意味なんてあるのかと。

次第に自分の存在価値や死後の世界に思いを馳せる事となる。

何も無いのだろうか。先人達と暮らせるのだろうか。

死後の世界なんて存在しないのか。

やがてそれはこの世界からの脱出の念へと変化する。

此処から抜け出せればどうなるのだろう。

此処の外はどうなっているのだろう。

単純な興味。しかし何年と幽閉されていた事もあり、それは好奇心で終わらなかった。

恨みや妬み、憎しみが重なった報復をしたいと思うようになった。

姉が何故こうしたのか。理由すら分からない。

ただ、自分を幽閉したという事実だけは揺るがない。

幽閉されたという部分だけは揺るがない。

その部分が更に行動力となった。


抜け出した。抜け出してしまった。

姉に攻撃された。更に募る怒り。

理由すら伝えずに唯幽閉してきた姉を姉と呼べるのか。

否、呼べない。呼びたくない。

姉が起こした行為は妹を幽閉し、逃げ出そうとした妹に死すら有り得る攻撃を仕掛けた事。

どんな理由があったにせよ、この怒りの行き先は常に姉に向かうだろう。

そんな中、抜け出す事に成功した。

満身創痍だったが、抜け出せた事で大満足だった。


そこで出会った一人の人間。

新たに幻想入りした唯の人間。

そんな人間に、まさか助けられるなんて。

自分の人格や思想すら変えてしまうなんて。

本当に、不思議だ。

漣蓮。初めて一緒にいたいと思えた、


―大切な人。


後書き

待て、分かる。分かるから黙れ。

この話、何だこれ。分かる。だって書いてて私も同じ事思ってたもん。

こういう話を入れないと茶番劇が作れなゲフンゲフン

そんなわけでフランの過去を適当に描写した結果です。

実際の設定を一切見ずに適当に私の考えのみで構成したのでこれは名前を借りた完全な二次創作ですね。

まあまあ執筆事情は置いておいて、執筆者事情へ。

やっと夏休みの生徒会活動が終わった~!

これで夏休みに予定とかお仕事は無いはず!

自由の身だ~!!

とか言ってられないんですよね課題終了状況的に。

未だ残ってる教科があるおかげで安心してゲーム出来ないよ。

んじゃ、そんなわけで

よいフリーライフを。


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