第5話 現実 漣蓮視点

「はははハははハハはハははははハハハはハハ」

やばい。体力が。

「ハハはははハはははハハハはははハハハハはは」

笑い止まないと。

「はハハはハハハはハハはははははハハハはハは」

死・・・ぬ・・・。

「ははハははハははハハはは・・・」

――急に笑い声が途絶えた。

自分の意志とは関わらず、人間としての限界を迎えたから。


自分は今、何処にいるのだろう。

何処までも広がる真っ白な空間。

自分が立っているのか寝転がっているのか、それすら分からない。

重力なんてものは存在しないような、それほど何も無い空間にいる。

それが返って何処にも居ないような錯覚を覚えさせ、困惑する。


「・・・くん、蓮君ってば」

誰かに呼ばれている。しかし、眠い。

「ん~?何~?」

「話聞いてた?」

「んにゃ、全然」

「でしょうね」

私に声をかけてきたのは生徒会書記の笹浪華凜さん。

明るく真面目な生徒会役員である。

私とはまるで異なる性格の人だが、同じPC担当であるためよく話す。

PC担当の仕事は主にPCに関わる事ほぼ全てだ。

ポインタの作成や動画編集等、多岐に渡っての任務を執り行う。

「何か変な夢見てた」

「生徒会中に寝込んで起きたら夢の話するとか正気の沙汰じゃないね」

「うんまあそうなんだけどさ、マジで変な夢だったんだよ」

「ちょっと気になるけどまずは生徒会ちゃんとやって?」

「は~い」

流石真面目な生徒会役員様だ。

その日の生徒会はその後全体の意見を収集し纏めてから解散となった。

「んで、どんな夢見てたの?」

「んあ?・・・ああそうか」

「自分から言っといて忘れてるのかい」

「いや~生徒会のお話が堅苦しくてさ」

「自分から入っておいていちゃもんつけんのかい」

「何かツッコミがワンパターンやね」

「うん、そだね」

話が大いにずれているが気付かないのだろうか。

「・・・で、どんな夢見てたの?」

気付いていたようだ。

「なんて言うかね―」

そこで今迄経験した数々を話す。

森に出かけたらそのまま幻想郷という世界にいた事。

その世界で一人の少女と出会った事。

―狂笑により死んだ事。

その話を聞いた花凜はと言うと。

途中からスマホ弄って聞いていなかったようだ。

「うぉいっ!」

「ふぇ?何?」

かなりひょうきんな声が返って来た。恐らく素で出た声だろう。

「聞いといて聞いてないって何だそれ」

「あぁ、ごめん、メール来てたから対処してた」

いやまあそれはいいんだけどさ。なんて言うか、ねえ。

しかしあの夢は何だったのだろう。

いつも夢を見ないからこそ記憶に鮮明に残っている。

あの少女の顔立ちすら・・・。

思い出せない。顔も、名前も、性格も、全てが。

え、誰にあったんだ。誰と出会って、何処で何をしてたんだ。

何処で・・・。

何を言ってるんだ。自分は何処にも。

だって自分はげん、げん・・・げん?

何だ、何が起きている。

思い出せない。それどころか現在進行形で記憶から消えている。

つい数秒前に話したのに全く思い出せない。

「な、なあ、私さっきどんな話した?」

「あの状態で私が話を聞いてたとでも?」

何こいつ使えねえ。


その後は普通に帰宅して雑務を終えて生理的欲求を満たして就寝した。

その間も、消えた記憶が蘇る事は無かった。


夢を見た。久し振りに。

―あの森だ。

自然豊かで緑深い木々に囲まれた、それなのにそこだけが天に通ずる空間を有している。

そんな幻想的な空間。

今度はそこに、少女はおろか人すら訪れなかった。


後書き

NHKをぶっ壊す!

丁度この記事書いてるのが選挙活動の真っ只中なのでね。

「NHKから国民を守る党」の公約ですよね、めっちゃはまった。

勿論私は選挙行きませんよ。だって言っても選挙権無いから意味無いし。

さて今回同じ視点での連続連載ですよ。

えっとね、決してフラン視点の話が思いつかないわけじゃないんだ。多分。

という事で先に漣蓮視点を進めちゃおうという魂胆。

んなわけで。

よいフリーライフを。


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