第3話 理解 漣蓮視点

彼女、フランから話を聞く限り、次のようになる事がわかった。

曰く、此処は幻想郷。何処かの世界で幻想入りしたものの集う世界だと言う。

曰く、此処には様々な種族が混在すると言う。人間、妖精、妖怪、神・・・。

曰く、幻想郷では勝負を弾幕ごっこですると言う。弾幕と言うものを出し、相手を攻撃すると言う。

曰く、幻想郷では人間以外が何かしらの能力を持っているという。人間でも持つものは持つらしいが。

主な内容を取り出してみると、やっぱ理不尽だと思う。

何だ幻想入りって。

聞けばみんなに忘れられると言う意味らしいが私の存在は簡単に忘れられたのか。

混在するだと?どう考えても人間族の私が神すら存在するこの世界でどう生き延びれと。

もはや意味が分からない。弾幕を出すってなんや。

私どう見ても人間なんですけど。絶対能力ない奴ヤん。

その辺の知識は後回しにする事にして、とりあえずは現状確認が先決。

自分は何故こんな所にいるのか。

彼女はどんな人物なのか。

曖昧な表現になるが、自分はこれから何をすればいいのか。

考えれば考えるほど思い浮かんでくる今後の目標の内、今すぐ解決できそうな課題を解決しようと動く。

「そういえば、羽といい明らかに人間じゃないけど、種族は?」

最初に容姿を見た時から疑問に思っていた彼女の種族。

背中からは羽が生え、特徴的な紅い眼。

少なくとも人間とは思えないので少しばかり気になっていた。

「えっと・・・嫌がらない?」

質問に対し嫌がると答えたらどうなるのだろうと言う単純な疑問が脳を過ぎるが払い、普通に答える。

「こんだけ理不尽な事起きてんだ、何を今更驚く事があるってんだ」

「若干質問に答えてない気がするけど・・・」

滅茶苦茶正論言われた気がするけど先を促す。

「私は・・・その、吸血鬼・・・かな」

吸血鬼。

動物の血を吸い、日中は活動しずに夜間に活発になる種族。

ヴァンパイアとも呼ばれるが、それとは少し異なる。

その大きな点として、この世界の吸血鬼は別に血を吸わなくても生きていける。

それでも吸いたいという欲求が出るらしいから、生物的な本能なのだろう。

そんな彼女が目の前にいる。

人の血を吸い、最悪殺しまで至る種族が目の前にいる。

ならば私が取る行動は一つ。

「マジか吸血鬼!?かっけ~!!」

「ふぇっ?!」

だってそうだろう。

今迄人間以外の種族を見てこなかったのだ。当然異種に興味を持つだろう。

しかも相手が吸血鬼と来たものだ。

吸血鬼は元々好きでドラキュラやその関係する映画等、色々見漁っていたものだ。

それが、実際に目の前にいると言う。

興奮がやまないでしょ!

「えっと、もしかしたら君の血、吸うんだよ?」

「そんなん知ってるわ、それより吸血鬼なんだな!本当だな!!」

我ながら凄い食いつきっぷりだと思う。

「う、うん、吸血鬼・・・だけど」

「っしゃ~~~!!!!」

歓喜の声と共にガッツポーズ。

全身で嬉しさを表現する。

横目で見たが彼女はとても不思議そうな顔をしていた。

「そういえば、何で嫌がると思ったんだ?」

気持ちの切り替えは一瞬。

今迄の嬉しさを瞬時に切り替え、気になる点を消化していく。

「だって・・・吸血鬼って言ったら、皆離れて行くから」

そうか。私がアウェーか。

吸血鬼と言えば血を吸う生き物だ。

当然人間の血も吸うが、それが死に至る事もある。それが人間が吸血鬼を恐れる理由だろう。

圧倒的力や能力で人間に抵抗なんて出来るわけも無く、あっさりと吸血されて命を落とす。

嫌われて当然の、忌まわしき種族。人間の間ではそう評価されているのだろうと容易に予想できる。

「ま、私は吸血鬼好きだし気にしないがな」

そういえば彼女の、フランの表情を真面目に見た事が無いと思い、ちょっと顔を覗いてみる。

最初会った時から地味に感情の変化が薄いように感じたので気になる。

声の抑揚で少しは分かっていたが、声が無いんじゃ判断できないよな。

「・・・普通に可愛い顔してんだな」

「!?」

半ば無意識に出た言葉。

独り言にもならないほど小さく呟いたがフランの耳にはしっかりと入っていたそうだ。

フランは物凄く顔を赤くしている。

下向いて、ベッドに飛んでった。

毛布被って、暑かったのか毛布吹っ飛ばして、悶えるようにくるくるして。

あ、ベッドから落ちた。

もしかしたら天然気味なのかもしれない。

「て、天然じゃない!」

もしかしたらエスパーなのかもしれない。

今迄色々立て続けに物事が起きていたので分からなかったが、フランは感情豊かだ。

その表現方法が少しばかり特異だけど。

それでも、感情豊かで、多分天然で。

フランについて、上辺だけでも理解できたと思う。

ならば次は自分の事だなと思い、軽い自己紹介。

そして、事の進み方を聞いた。


後書き

これ書いたの提出物終わらせてからだから凄い集中力無いの。

その上1時間程度で書いたんだからもう凄い言語使ってるだろう。

最後、可愛いフランの支援絵提供者から「天然要素追加求む」とか言われたのでやってみた。

天然キャラの描写って難しいんだな。

それじゃいつも通り誤字脱字等の報告がありましたら遠慮無く下さい!

それでは

よいフリーライフを。


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