「・・・て感じのストーリーだけど、どっすか?」
ある日生徒会顧問から言われた無茶振り。
「何か適当に話作ってくれない?ファンタジックな奴」
無茶振りにも程があると思ったが、意外にも蓮が快諾した。
だから同じ役職だった私もその担当になったのだが・・・。
今でも彼が何故自分からやると言ったのか理解出来ない。
と言うか聞いても答えてくれずにはぐらかされる。
そんな彼が言って来たのは其の物語の一つの案だ。
「あのね、いいんだよ?いいんだけどね?」
「あ、却下?」
「いや却下とまでは行かなくとも・・・保留って感じかな~」
「つまりつまらないと」
「なんでそんなネガティブな考えに行っちゃうかね~!」
作りたいと言ったのも、実際に話を作ったのも彼である。
だが、実際には其処まで作品に自信が無いようだ。
だからか、否定的でなくとも肯定的でない意見は全て否定してると思う節がある。
仮案提出日までまだ全然余裕があるから、もっとゆっくり詰めていけばいいものを、どうやら早めに調整したいようだ。
作品の流れ的には何も文句無いし、なんなら気に入ったので此れをプロットとして使って行きたい。
「とりあえずプロットはこれでいいから、色々書き直した方がいいんじゃないかな」
「さんせー」
「んじゃぁ、まず出だしのこの入り方なんだけど・・・」
此処で言うプロットとは、所謂元ネタというものだ。
此れを基にして最終的な提出案を作る。
蓮が見せてきた物語の最初はこう始まっている。
「ある日、目が覚めたら見知らぬ世界にいた」
此れでも、話の始まりとしては殆ど不自然では無いだろう。
だが、どうせならもっと詳しくしてしまってもいいだろう。
だから、こうする事にしてみた。
蓮も此れには賛成のようだ。
出だしはこうした。
「聞こえてくるクラスの姦しい声。」
しかしなんだろう・・・此の物語、何処かで見た事があるような・・・。
だが、世界には似たような小説、話などいくらでもあるので其の類だろうと。
生徒会顧問に出した話は滅茶苦茶好評だった。
無茶振りだったのに有難ねと言われた。
無茶振りだと知ってたんかいと、心の中で突っ込んでた。
何故そんな話をしたのか教えてくれなかったけど、滅茶苦茶褒めてくれた。
そんな話が終わった時、その先生に呼び出された。
「もう一回言うけど、あんな無茶振りだったのに作ってくれてありがとね」
「無茶振りだと分かって言ったならちょっとは自重してくださいよ・・・」
「それで、呼び止めた理由だけどね」
「何ですか?もしかしてやっぱりあの話は無かった事にしてくれるんです?」
「そんなに嫌だった?w」
「嫌では無いですけど・・・」
「ま、本題ね」
「・・・はい」
何故か感じる圧迫感。
相手が教師だからと言う理由では説明の付かない程の威圧感に襲われている。
だからか、応える声も弱々しくなる。
「こっちはどう?」
・・・そう言う事かと、納得した。
此の人は、先生であって先生なんかじゃない。
そして、見ているのは私であって私ではない。
「勿論、楽しいですよ」
「・・・帰りたい?」
答えない。答えられない。悩む所が多すぎる。
「答えられない?」
首肯。
「んじゃ、もうちょっと考える時間あげる」
「・・・どっちか」
「ん?」
「どっちか、決めなきゃいけないんですか」
「そうね、そうして欲しいわ」
「・・・いつまで」
「こっちの感覚で1年でいいかしら?」
戸惑いながらも、首肯する。
「んじゃ、よろしくね」
その後聞いた話だが、蓮の所に奇妙なメールが届いたらしい。
送り主の名前が可笑しく、迷惑メールだと思って消したとか。
・・・まさか、ね。
後書き
話が長くなっちゃったw
色々要素追加して行く内にどんどん増えちゃって、最終的には当初の予定の2倍くらいの量になったぜw
という事でフラン視点も最終回です。
漣蓮視点でふわふわさせてた部分を一部明確にしたので考察が捗るかな?w
私的には是非とも考察して欲しいのですが、わざわざそんな事する人なんかいないよねw
此方の情報になりますが、実は東方夢創禄フラン視点第16話は存在します。
但し、夢創禄のページにも表示せず、何処かにURLを記載したりなどしません。
記事として投稿するので、何処かにはあります。頑張って探して下さいw
んじゃ、執筆者情報へ。
もう直ぐ学校が終わる・・・!
けど夢創禄の話考えてるのって実は基本的に学校なんだよねw
だから学校が無い冬季休業日中は夢創禄が更新出来ない!とか思ってたのですが。
完結しましたねw
まあ、いつもより頻度は下がると思いますが更新して行こうと思います。
もしかしたら暇だという理由で滅茶苦茶書いてるかも知れませんねw
んじゃま、
よいフリーライフを。
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