第16話 隠秘 漣蓮視点

「あんた・・・まさか、 フランドール・スカーレット!?」

その問いに、彼女は答えなかった。ただ俯いて、無言を貫く。

辺りの時間が固まったような感覚・・・いや、実際に止まっているのだ。

人は呼吸さえ許されていない。太陽はそこから動かず、風の一つさえ吹かない。

それは、禁忌だったのだ。

幻想郷にとって、外の世界でその情報を話す事は。

そこに住まう民の名を口外する事は、まさにそれに当たる。

幻想入りした民は人々から忘れ去れた存在。

その存在を脅かす行為は禁忌に値する。

・・・しかし彼はそれを知らない。

この世界で、彼以外に動ける唯一の存在である彼女はゆっくりと首を縦に振る。

そして、言を俟たないと言うが如く名を名乗る。

「フラン・・・だよ。フランドール・スカーレット。久しぶり・・・で、いいのかな」

そう言って、少しはにかむフランだった。


そこからは全てが済し崩しに進んでいった。

突如現れたフランにびっくりしたが、彼女はあくまで笹波華凛だ。

これまでの様に、変わらない生活を送っていけば何一つ変化は無い。

自分も、何も変える必要はない。

環境も、状況も、何もかも。

そう、この世界に変化はない。強いて言うなら、笹波華凛と言う人間が消えた事だろう。

・・・彼女は▮▮▮りしたのだった。


▮▮▮。それは▮▮▮りしたものの住まう▮▮

そこには、▮▮▮▮など、住まうものの種類は多種多様だ。

過去に一度▮▮▮りしたものが帰ると言う事例があったが、の手によってそれは異常を来たさなかった。

そのものは▮▮と言う。

▮▮が起こした世界変異は▮▮▮を根柢から覆した。

▮▮▮▮▮の英雄の一人であり、▮▮▮を救った救世主だった。

そんなある日、▮▮は突然と姿を消した。

まるで▮▮▮りしたかのように・・・。

▮▮▮の住人であった▮▮▮も、同じように・・・。

だが、それに気づく▮▮▮の住民など

いるわけないのだ。

が、新たなる禁忌としたから。


「誰がこんな話を信じるのだろうか・・・」


綴りはこれで終わっていた。



「・・・て感じのストーリーだけど、どっすか?」

「あのね、いいんだよ?いいんだけどね?」

「あ、却下?」

「いや却下とまでは行かなくとも・・・保留って感じかな~」

「つまりつまらないと」

「なんでそんなネガティブな考えに行っちゃうかね~!」

ある日突然小説っぽい話を作ってきてと言われて、早1週間が経とうとしていた時の話。

一応の全話は完成したものの、校正や加筆修正等がまだなのだ。

締め切りは遠くとも、見直しなどを含めれば今の内にこちらでは完成させておきたい。

そう言われたので、提示された設定を見ながら何となく書いた作品を見せたら保留と。

まあ自分でもあまり出来は良くなかったと思ってるし、それでもいいのだけど。

でも流石に今から新しく作るとどう考えても時間が足りない。

それを先方も理解しているのか、代替案のような話が出て来た。

「とりあえずプロットはこれでいいから、色々書き直した方がいいんじゃないかな」

「さんせー」

「んじゃぁ、まず出だしのこの入り方なんだけど・・・」

校正や加筆修正を含めた本書が始まった。

この話自体は私が個人で考えたものだ。

そこに彼女の意見を取り込みながら提出用のデータを更新していく。

そう、まさにその時だった。

一件のメールが来た。

軽い着信音がそれに気づかせてくれて、即座に確認したが。

それは理解出来るものではなかった。


件名:ありがとう

送信:蜈ォ髮イ邏ォ

内容:その子をよろしくね


それをいたずらメールだなと思い、そそくさと消した。


後書き

はい、文面から分かると思いますが。そうです。

今回のこの話、実質的な最終回です!!

東方夢創禄漣蓮視点は全16話を持って最終回を迎えました。

最後の方は読者の考察にすべて委ねる事にしましたので、かなり伏せています。

一応作者想定の設定はあるので、どう解釈が変わるのか楽しみにしてますねw

そんな作者の近況。

忙しい。ちょー忙しい。

生徒会のお仕事がやっと終わろうとしているのに忙しい。

ラストスパートって奴だろうけどここまで忙しくなるとわw

まあ、考察頑張ってって事でw

んじゃまあ、

よいフリーライフを。


漣蓮のブログ

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